繊維スリングはワイヤーより安全?~繊維スリングの安全な玉掛け方法~
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繊維スリングで、コイルや金型などの重量物を吊り上げる際に、
「鋭利な角で繊維スリングが切れてしまわないか」
「熱に弱くて、現場には向いていないのではないか」
といった不安は、
おそらく多くの現場で”なんとなく引っかかっているポイント”なのではないでしょうか。
実際に、繊維スリングは使い方を間違えれば切れてしまいます。
鋭利な角に当たれば、ハサミで切るような状態にもなります。
だからこそ、
「見た目に強そうなワイヤーのほうが安心」
と判断されてきた現場が多いのも、自然なことだと思います。
ただ、
その“安心感”は、本当に安全と言えるのでしょうか?
と改めて考える中、「見た目が頑丈であること」と「現場で安全に使用できること」は、必ずしも同じではありません。
今回はその疑問を起点に、
実際にワイヤーを使っている現場で起きた事故や改善の事例も交えながら、
スパンセット(SpanSet)の繊維スリングの特長と導入メリットをお伝えしていきます。
本当に怖いのは「切れること」ではない
本当に怖いのは、
“危険に気づけないこと”です。
ワイヤーは「突然、限界を迎える」
ワイヤーロープは一見、鉄の塊であり、非常に頑丈に見えます。
しかし、その強固な見た目とは裏腹に、内部では「目に見えない崩壊」が進行しているケースが少なくありません。
よく起こっているのが以下の3点です。
- ワイヤー内部の腐食: 外見は綺麗でも、芯材がサビでボロボロになっている。
- 内部素線の断線: 荷重の繰り返しにより、目視できない内側から切れる。
- キンク(ねじれ): 物理的に強度が落ちる致命的なダメージ。
この中でも特に危険なのが「キンク(ねじれ)」です。
一度発生すると、その箇所の強度は20〜60%も低下することがあります。
たとえ、ねじれを直して、見た目が元通りになったとしても、内部組織が受けたダメージが回復することはありません。
つまり、
「見た目が大丈夫=安全」という常識が通用しないのがワイヤーの怖さです。
実際に、前日まで何の問題もなく使えていたワイヤーが、ある日何の前触れもなく破断してしまった現場もありました。
この「限界が外から見えない」という構造そのものが、現場における最大のリスクなのです。
繊維スリングは「危険が見える」
一方で、繊維スリングだとどうでしょうか。
- 摩耗
- 損傷
- 切れかけ
これらが目で見て判断できる形で現れます。
つまり、
「危険になる前に止められる」
「今、このスリングが安全かどうかを、現場の誰もがその場で判断できるようになる」
これが最大の違いです。
切れる原因は「繊維」ではなく「使い方」
そもそも、繊維スリングが破断する最大の原因は、
「シャープエッジ(鋭利な角)」の状態で吊り荷を吊り上げてしまうことにあります。
では、何をもって「シャープエッジ」と定義するのか。ドイツ労働保険組合の規則(BGR 500 Chapter 2.8)や欧州規格によれば、その基準は明確です。
「エッジ(角)の半径を「r」、スリングの厚さを「d」としたとき、r < d となる状態を「シャープエッジ」と定義する。」

この定義はもともとワイヤーロープ用に考案されたものであり、かつては繊維スリングへの適用は曖昧でした。
しかし、スパンセット(SpanSet)社はDEKRA(ドイツの第三者認証機関)と協力し、広範な試験を実施していき、繊維スリングの開発においても、この数値基準が安全の境界線であることを科学的に証明しました。
「主観」が重大事故を招く
現場では、どうしても個人の感覚による判断が優先されてしまうのが実情ではないでしょうか。
- 「エッジ(角)はあるが、手で触って痛くないから大丈夫だろう」
- 「ベルトを二重にしたり、当て布を厚くすれば耐えられるはずだ」
こうした曖昧な「感覚」こそが、事故を招く引き金となってしまいます。
スパンセット(SpanSet)が提案する「感覚を排除した」安全管理
スパンセット(SpanSet)の繊維スリングを導入する最大のメリットは、
現場から曖昧さを排除し、「科学的な数値」で安全を管理できる点にあります。
「エッジの半径(r)を、スリングの厚み(d)よりも十分に大きくする」
このイメージを持つだけで、現場の対応は驚くほどスムーズになります。
スパンセット(SpanSet)では、専用の工具を使って、シャープエッジかどうかを判断することができます。
1.エッジの半径(r)を数値で正確に把握する。

2.スリングの厚み(d)を把握する。
3.シャープエッジであった場合は、適切な保護具を用いて「半径を物理的に大きくする」対策をする。

「たぶん大丈夫」という感覚的な安心ではなく、数値に基づいた確実な安全へと判断基準を明確化することで、現場の安全レベルを次なるステージへと引き上げることが可能になります。
もう一つ多い誤解「熱に弱いのでは?」
「繊維スリングは熱に弱いのではないか」というご不安もよく耳にします。
しかし実際には、
スパンセット(SpanSet)を含む一般的な繊維スリングの使用温度は約100℃までとされており、
これは一般的なワイヤーロープと同等の使用条件です。
※ワイヤーも高温になると鋼の強度低下や内部潤滑の劣化が起こるため、使用温度は制限されています。
つまり、
👉「繊維だから特別に熱に弱い」というわけではありません。
重要なのは、「素材の違い」ではなく、
使用環境に対して適切な吊り具を選定できているかどうかです。
例えば、
・〜100℃程度までの環境
→ 繊維スリングで対応可能
・200℃〜300℃といった高温環境
→ チェーンスリングの使用が推奨されます
このように温度条件に応じて適切に使い分けることで、
安全性を確実にコントロールすることができます。
見落とされがちな「身体へのリスク」
また、ワイヤースリングは重くて硬く、持ち運び、玉掛け(外し)などの
すべての作業において負担が大きく、
疲労の蓄積 → ヒューマンエラー → 事故
という流れを生みやすくなります。
一方で、繊維スリングだとワイヤーの約1/5から1/10の重さで、作業者の腰痛予防や疲労軽減にも直結します。
さらに、保管スペースにおいても繊維スリングだとコンパクトに保管が可能です。

繊維スリングが変えるのは「現場そのもの」
スパンセット(SpanSet)の繊維スリングは、
単なる道具の更新にとどまらず、現場の安全・効率・品質・管理をより高めていくことができます。
✅️4つのメリット
①科学的な安全(Safety)
個人の感覚に頼らず、エッジ半径(r)と厚み(d)の数値基準で「切れない吊り」を確立します。
②圧倒的な効率(Efficiency)
ワイヤーにはない「軽さ」と「しなやかさ」が、現場の重労働を劇的なスピードアップへと変えます。
③品質の守護(Quality)
柔らかな接触面が製品への傷を防ぎ、吊り荷の資産価値を損ないません。
④管理の可視化(Management)
RFIDによる個体識別で、点検履歴をスマートに一元管理。突然のトラブルを防ぎます。
「安心感」で選ぶか、「安全性」で選ぶか
「長年、ずっとワイヤーを使ってきたから大丈夫」という安心感は本当に安全でしょうか?
・状態が見えない
・判断が人に依存する
・突然壊れる
上記のリスクが潜んでいないか、今回ご紹介した判断基準を、ぜひ現場のチェック時に取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
繊維スリングは確かに「切れる可能性がある」吊り具です。
しかしそれは、
👉 正しく使えばコントロールできるもの
です。
一方でワイヤーは、
👉 気づかないうちに限界を迎えるリスク
を持っています。
だからこそ私たちは、「どちらが強いか」ではなく、
「どちらが安全をコントロールできるか」で選ぶべきだと考えています。
そして、現場ごとに最適な選定や具体的な対策方法は、条件によって大きく変わります。
「自社の吊り方にはどれが合うのか?」を正しく判断するためには、体系的な情報を一度整理しておくことが重要です。
スパンセット(SpanSet)では、繊維スリングの選定方法やシャープエッジ対策、保護具の使い分けなどをまとめた資料をご用意しています。
実際の現場でそのまま活用できる内容になっていますので、ぜひ一度ご覧ください。
また、
「この吊り方で問題ないのか?」
「この形状だとどんな対策が必要か?」
といった具体的なご相談も随時受け付けております。
図面や写真ベースでの確認も可能ですので、現場で少しでも不安を感じた際は、お気軽にお問い合わせください。
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